プリンスはやっぱりすごい:レイトショーで『サイン・オブ・ザ・タイムズ』
2016年4月21日、プリンスの訃報を聞き、衝撃を受けた方は少なくないと思います。
自分もそのひとり。
渋谷でレイトショー
あの日から、夜毎ひとりプリンス祭を繰り広げていますが、なんと、急遽『サイン・オブ・ザ・タイムズ』のレイトショーが期間限定であったので、行ってきました。
2日に直接映画館へ行ったのですが、チケットは完売。
レイトショーなんていつぶりか思い出せないほど昔のことで、なんかふらっと行けば入れる気がしてたんですけど、甘かったですね。へへ。
なのでその日は、6日のチケットを購入して帰りました。
客層は予想通り、自分も含めておじさまおばさまがほとんど。
みんな何かを期待している、おさえた興奮みたいなのを胸に集まって来た感じ。
実はこの映画観てなかったんです。
そして、このアルバムも聴いてなかった。
似非ファンと言われたら、その通り。
でもプリンスって不思議な存在で、好きなんだけどなんかイヤだったり、イヤなんだけどやっぱり好き、みたいな…
とにかく、特異な存在でしたよね。
映画にもどりますけど、これDVDも出てますから家で一人で観ることもできます。
でもね、やっぱり大画面で他のお客さんたちと観るのが大正解でしたよ。
そりゃホントのライブにはかないません。
でもその場の人々の期待感や反応、そういうのを感じながら観ることができて、臨場感みたいなものを味わえました。
二曲目の(三曲目だったかな…あやふや)Housequakeが終わったとき、拍手が沸き起こって、さらにいい感じに。
Housequakeは、ファンキーなプリンスが好きな私としては、踊り出したいくらい好きなタイプの曲で、たぶん同じように踊り出したい人がたくさんいたんじゃないかなあ…
この曲、あとからCDで聴きましたが、映画よりだいぶ軽い音色です。
この一曲だけでもこの映画を映画館で観る価値ありでした。
(一箇所スピーカーに問題があったのか、音が割れて微妙に遅れて出てくるところがあって、若干気になりましたが…)
その後も何度も拍手が起こり、バラードではつい涙がにじみ、あー終わらないで欲しい、ずっと観ていたい…
終わるんですけどね。
終了後も大拍手で、なんとなくにやにやしてる人、「腰抜けたわ」と言う人、目を赤くしてる人、いろいろでしたけど、たぶん会場の全員が大満足だったと思います。
そしてこの才能あふれるというか「音楽そのもの」であるような人が、もうこの世に存在しないのだということを改めて噛み締めつつ、映画館を後にしたことでしょう。
(私はそうでした)
プリンスの似非ファン
プリンスの訃報を聞いてから、毎晩のように一人プリンス祭を繰り広げていますが、そんな私をみた家族から「なんで急にプリンスばっかり?今まで聴いてるの見たことないけど、その”前から好きだったアピール”なんなの?」と言われました。
はいはい、そうねそうね。聴いてませんでした。10年くらい。
10数年前、あるきっかけでとある国へ行き1年ほど滞在しました。
そのことが私の人生を「それ以前、それ以降」という風に大きく分断しました。
もともとレコードからCDに変った時点で、音質の変化にすごく抵抗があって、「音楽を買う」ってことをほとんどしなくなっていたんですが、この国外滞在をきっかけに、レコードやCD、本など、ほとんどすべてを処分しました。
価値観が変わり、それまではするつもりのなかった結婚をし、持つつもりのなかった子どもを持ち… その後ずーっとバタバタしたまま今日に至っているわけですが、ここ数年、なんとなく「それ以前」の私が顔を出して来たんです。
その一環なのかなんなのか、去年あたりから急にプリンスが聴きたくなって、ちょこちょこ聴き始めていた矢先の訃報でした。
もともとすべてのアルバムを追っていたわけじゃないし、完全に似非ファンです。
でも似非ファンだけに「あー無理してでもライブ行っておけば良かった!」って心の底から思います。
真性ファンは絶対行っていると思うので。
本当に存在自体が「音楽そのもの」なので、CDでただ楽曲を聴くのと、姿を観ながら聴くのとでは全然違うんですよね。
(動画や映画を観てさえそう思います)
似非ファンらしく、とにかく今は夜毎プリンス祭です。
ちなみに現時点のお気に入りアルバムはこれ。
みなさんはどのプリンスがお好きでしょうか。