I'm always in your hair

音楽、映画、写真、演劇、文学、ライフスタイルなどについてのあれやこれや

『プリンス論』読みました。(書評じゃありませんのでご注意を)

 

西寺郷太さんの『プリンス論』、Amazonでは長らく欠品が続いていたようですが、ある日たまたま書店で見かけ、一冊しかなかったので思わず購入して読みました。

現在はAmazonでも入手可能なようですね。そして帯が私が購入したものから変わってる!

 

プリンス論 (新潮新書)

プリンス論 (新潮新書)

 

 

そう、みなさまご存知のとおり、今年2016年4月21日にプリンスは亡くなってしまいました。

 

  『プリンス論』の企画が持つ意味

 

誤解をしている方はあまりいらっしゃらないかと思いますが、この本はプリンスが亡くなったからそれっ、と、急ごしらえで出版されたものではなく、二年前に新潮社の編集者K氏によって企画され、それが困難なことであると知りつつも、その熱い思いを受け止めて、西寺さんが執筆されたものです。月二回発行のメールマガジンに2015年2月から7月まで連載していた記事を「徹底的に改稿し1冊の本に仕上げた」とのこと。2015年9月20日発行。私が購入したものはプリンスが亡くなる前に出荷されていたものなんです。

 

このことはとても興味深いですね。編集者K氏の先見の明… こう言ってしまうとまるで彼がプリンスの死を予感していたかのようになってしまいますが、そうではなくて(そうではないと思いますよ)、プリンスが今現在(企画立案当時)、ある重要なフェーズを迎えているのではないかという予感、それが今、世界(狭い意味では音楽の世界ですがそれに限らず)にとって重要であるのではないかという予感… そういうものを感じた慧眼に感心します。

 

読了後、プリンスについて今おさらいをしておくことは(彼が存命中であったとしても)とても重要なことだとあらためて感じました。その意味で、この『プリンス論』は企画自体に大きな意味があると思います。

 

内容は、正直に申し上げれば、「論」という言葉に対して期待していたものとは違っていました。論というよりは伝記であり、新書という小さいボリュームの中で、膨大な作品を持つプリンスの歴史の大きな流れを駆け足ながらも教えてくれます。まえがきにある「熱狂的なファンやマニアのためだけじゃない。僕のように彼のことを知りたいと思うけれど、ぼんやりとしか知らない、そんな人の入り口になるような本」というK氏の言葉に応える本になっていると思います。

 

これは大変な作業であっただろうと想像します。まえがきにあるように「活動を追いかけることだけに人生を捧げるほどのファン、マニアが世界中に多数存在する」プリンスについて書くこと自体、覚悟が必要だったでしょう。

 

私のような、聴いていないアルバムがたくさんある、そして曲以外にプリンスのことはほとんど知らない似非ファンには、とても助かる一冊です。特に、彼がどんな音楽的環境で育って来たのか、それが彼の音楽性にどんな影響を与えたか(何が彼を成功に導いたか)に言及する部分には、なるほど、と思いました。

 

”私のプリンス”

 

また、著者の”私のプリンス”を垣間見ることができるのも、私にとっては興味深いです。私はほかの人の”「自分語り」を絡めたプリンスの話”(これを”私のプリンス”と言います)を聞くのが好きで、どんどん聞きたいし読みたい。Amazonのコメント欄には「プリンスを通じての自分語り」だと否定的な意見もありますが、自分語りがメインになっているような本ではないと私は思います(それならもっと書きたいことがあったでしょう)。ほんの少しでもそういった要素が入っているのがいや、という人は伝記作家が書くような伝記本をお読みになることをお勧めしますが、私のように、ね、ね、あなたにとってプリンスって何?プリンスのどこが好き?と聞きまくりたい人にとってはまったく問題ないでしょう。

 

この一冊をきっかけに、自分なりの「プリンス論」を考えて行きたい、という気持ちになりました。

 

ところで私は 「論」という言葉に何を期待していたのでしょう。

プリンスは(本人が意識的にそうしていたせいもあるでしょうが)私にとって謎の多い人物です。人となりもそうですし、音楽的にもわからないところは多いです。(そもそも正式にリリースされているものすらまだ全部聴いていない…)

その謎の部分に深く入り込むか、あるいはなにか新しい視点からプリンスの別の側面を見せてくれる、そういうのを期待していたのだと思います。

具体的に言うと… 私にとって一番謎なのが、なぜあれほどまでに露悪的に、卑猥に演出する必要があったのか、という点です。

 

このあたりを重点的に、そしてほかのことも絡めつつ”私のプリンス”を書いてみたいのですが、できるかなあ…

いつか挑戦したいと思っています。

 

さて、みなさんの”私のプリンス”はどんなプリンスですか?

 

ではでは。

 

(おまけ: ↓ このプリンス大好き。『プリンス論』でも言及されている"Albums still matter. Like books and black lives...albums still matter.")

 
Prince #BLACKLIVESMATTER at the #grammy‌s: "Like books and Black lives, albums still matter."

 

 

 

 

 

 

広告を非表示にする